
【要約】この記事で学べること!
マンデリンの「G1」は、生豆の欠点評価に基づく等級です。 インドネシアでは、欠点の種類や量を評価した数値に応じて、G1、G2、G3…と分類されます。
一方、スペシャルティコーヒーでは、カッピングで確認する味や香りなどの風味品質が重視されます。G1とスペシャルティは同じ意味ではなく、G1という表示だけで、おいしさや好みに合うかまでは判断できません。
豆を理解するには、等級に加えて、カッピングによる評価や風味の説明も確認することが大切です。
この記事では、G1とスペシャルティコーヒーの違いを解説し、アマドコーヒーが日本・インドネシアでサンプル豆の評価を依頼した経験や、自家焙煎店の方から伺った声を紹介します。
マンデリンG1とは?インドネシアコーヒーの等級

マンデリンの「G1」は「グレード1」を意味し、インドネシアの生豆の欠点評価に基づく最上位の等級です。 マンデリンだけに使われる名称ではなく、インドネシアコーヒーの品質を分類する際に用いられます。
等級を決める際は、300gの生豆サンプルに含まれる欠点豆や異物を調べます。黒くなった豆、割れた豆、虫食いのある豆など、欠点の種類によって異なる評価値を付け、その合計で分類します。
マンデリンなどのアラビカ種では、次のように分かれます。
※インドネシアのコーヒー生豆の国家規格(SNI 2907:2008)に基づく
| 等級 | 300gのサンプルに含まれる欠点評価値の合計 |
|---|---|
| G1 | 11以下 |
| G2 | 12〜25 |
| G3 | 26〜44 |
| G4 | 45〜80 |
| G5 | 81〜150 |
| G6 | 151〜225 |
参考:SNI 2907:2008「Biji kopi(コーヒー生豆)」〔PDF・インドネシア語〕
「G1」という規格はあくまでも“生豆状態の欠点評価による等級”になりますので、淹れた時の香りや味については評価されていない点に注意が必要です。
マンデリンの味や特徴、産地・種類については、マンデリンコーヒーの総合解説記事で詳しく紹介しています。
G1とスペシャルティコーヒーの違い

G1は生豆の欠点評価に基づく等級ですが、スペシャルティコーヒーでは、飲んだときの風味品質や、そのコーヒーならではの特徴が重視されます。
G1(等級)→生豆の状態を評価(欠点評価)
スペシャルティコーヒー→抽出後の香りや味を評価(カッピング評価)
(※最近ではその豆らしさ、生産背景も重要視されている)
スペシャルティコーヒーについて、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)は、カップの中のコーヒーの風味品質を重視しています。また、国際団体のSCAは、味や香りだけでなく、産地・生産者・栽培や精製の方法なども含め、そのコーヒーが持つ特徴と価値に着目しています。
参考:日本スペシャルティコーヒー協会「スペシャルティコーヒーの定義」
参考:Specialty Coffee Association「What is Specialty Coffee?」〔英語〕
風味品質を確認する方法の一つが「カッピング」です。
一定の条件でコーヒーを抽出し、香りや味、酸の質、口当たり、後味などを評価します。その結果を数値で表したものが、カッピングスコアです。
従来のSCA方式による100点満点のカッピング評価では、80点以上がスペシャルティ品質の目安として使われてきました。ただし、現在のSCAの定義は点数だけではなく、風味や生産背景なども含めて捉えています。
参考:Coffee Enterprises「Quality Analysis Rating Scales」〔PDF・英語〕
アマドコーヒーが取引現場で学んだG1とスペシャルティコーヒーの捉え方

アマドコーヒーでは、インドネシアコーヒーの輸入・販売に向けたやり取りの中で、日本とインドネシアでサンプル豆のカッピング評価を依頼してきました。ここでは、その経験と自家焙煎店の方から伺った声をもとに、G1やカッピングスコアが取引の現場でどう捉えられていたかを紹介します。
G1についての現場の声|等級だけでは分からない味わい
アマドコーヒーが自家焙煎店の方とお話しする中で、G1を仕入れの最低条件として捉えている、という趣旨の声を伺ったことがあります。また、G1だからといって必ずしもおいしいわけではない、というお話もありました。
こうした声から見えてきたのは、G1が選ぶ際の前提条件になっていても、それだけで仕入れたい豆と判断されるわけではないということです。等級を確認したうえで、実際の風味を確かめることも大切になります。
さらに、その豆にどのような品種が含まれているのか、できる限り詳しく知りたいという方もいました。同じマンデリンG1という表示でも、品種の構成までは分かりません。 等級に加えて、豆の中身や生産背景まで理解しようとする姿勢が印象に残っています。
これらのやり取りを通じて、アマドコーヒーとしても、「G1です」と伝えるだけでは、その豆の特徴を十分に紹介できないと感じました。実際の風味やカッピングの評価に加え、品種などの情報も、確認できた範囲を明確にして伝えることを大切にしていきたいと考えています。
アマドコーヒーが取り寄せた北スマトラ産マンデリンの豆の情報や、実際に飲んだ感想は、マンデリン・リントンの解説と北スマトラ産マンデリンの実飲レビューで紹介しています。
スペシャルティとカッピングスコアについての現場の声
自家焙煎店の方との相談を通じて、カッピングスコアの捉え方はお店によってかなり異なると感じました。
スコアは必要なく価格を重視する方もいれば、多少価格が高くてもスコアを重視する方もいました。また、スペシャルティ品質の目安に届かなくても、評価を受けていることを品質管理への信頼材料として捉える方もいました。
私たちがお話しした範囲では、G1を最低条件とする見方はおおむね共通していましたが、スペシャルティ品質やカッピングスコアをどこまで重視するかには違いがありました。 等級や点数だけでなく、お店が求める価格と品質のバランスを理解することも大切だと学びました。
まとめ|等級・スコア・風味を合わせて豆を選ぶ

マンデリンのG1は、生豆の欠点評価に基づく等級です。スペシャルティコーヒーと同じ意味ではなく、G1という表示だけで味わいまでは判断できません。
豆を選ぶ際は、等級に加えて、カッピングスコアや風味の説明、品種・生産背景などを合わせて確認すると、その豆を理解しやすくなります。
アマドコーヒーがお話しした自家焙煎店の方々も、価格とスコアのどちらを重視するかなど、求める条件はそれぞれ異なっていました。等級や点数の高さだけでなく、求める味わいや予算に合うかを考えることが大切です。
私たちも、確認できた情報と実際の評価を丁寧に伝え、豆を選ぶ方の判断に役立つ紹介をしていきたいと考えています。
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